作業療法士の専門学校での暮らしを紹介するシリーズ
作業療法学科では、1年生の後期に「精神医学I」という講座がある。
リハビリ職と聞くと、スポーツや事故で怪我をした人のリハビリなど、体の面のケアをイメージしがちだと思うが、実際は、心の面のケアも行うのだ。
今回は、「精神医学Ⅰ」という講座を受けて、私が感じたことを紹介する。
ちなみに、私が作業療法士に興味を持ったのは、「心と体の両方」から人の健康をサポートできる仕事に魅力を感じたためである。
6年半のサラリーマン生活で、心と体がゴーヤチャンプルーのように入り乱れてしまった私は、作業療法士のそういう仕事に、すごく魅力を感じたのだ。
精神医学Ⅰでは、主に、以下の3つの精神疾患を中心に、さまざまな症状を学習する。
精神疾患の症状の中に「幻覚」や「妄想」というものがある。
例えば、幻覚のなかの幻聴の症状には、そこにいないはずの人の声が聞こえたり、その声と会話ができてしまったりすることがある。
また、妄想では、「自分は火星から来たエージェントだ」と思い込んだり、「近い将来に世の中が滅ぶ」と思い込んだりすることがある。これらの妄想は、根拠もなく直感的に感じるものもあれば、話が作り込まれていて、本当に起きていることのように説得力があり、体系化されているものもある。
こういう症状を勉強して思うのが、テレビでよく見かける、「幽霊を見た」とか、「緑色のゴム人間を見たことがある」とか、「手のひらサイズの小さいおじさんと会話したことがある」とか、「宇宙船を見たことがある」と言う話は、精神疾患が関係しているのかもしれない、ということだ。(この世の中には不思議なことがたくさんあるので、本当にそういうことが起きているのかもしれないけど...。)
自分自身、過去に心や体がズタズタになった経験があるので、精神について学ぶことは、自分を知ることにもつながって、すごく勉強になる。例えば、自分が自分でないような感覚(離人体験)などは、自分でも感じたことがあって、「あの時のあの感覚はこういうことだったのか...」と気づくこともある。
精神疾患を持つ人は、周りから偏見を持たれることが多いが、周りの人がその症状について学ぶことは、その人たちが生きやすい社会を作っていく上で大事なことだと思う。
2月には1週間の見学実習があり、精神科に行くので、いろんなことを学びたい。